2009年のTRIZシンポジウム、全三日間の日程が、終了しました。
二日目と三日目について、簡単にレポートします。
二日目、実は私は東京で、クライアントとの打ち合わせがあり、シンポジウムには参加できていませんでした。(そして、IDEOのTom Kelley氏の講演を聞いていた前後の時間、クライアントとの打ち合わせをずっとしていたのでした)。
二日目は夜のプライベートなディスカッションタイムに参加しましたが、とても真剣かつ活発な意見交換やアイデア創出がなされていて、集まる人の創造的なエネルギーを強く感じることができました。
三日目午前は、世界的に見た時にTRIZの若きホープであるダレルマン氏の講演がありました。
彼の知の体系化は、とても興味深い洞察にみちています。TRIZだけじゃなく、それの中でのTRIZを位置付けていくなかで、TRIZの拡張概念領域や可能性を聞き手も広げていくことができる面白い五講演でした。基本的に同時通訳は尽きません。質疑応答はサマリアップして翻訳してくれます。そのため、和文スライドを同時に表示してくださいます(協会の鋭意努力のたまもの)。しかし、迫力あるプレゼンをそのまま聴けた方がいいので、やはりある程度、英語が聞き取れる能力があるほうが、TRIZシンポジウムは、格段におもしろくなるとおもいました。
三日目午後は、ポスター発表です。私もそこで発表しました。実は、私はこの出張前に、きつい腰痛になっていて、シンポジウム期間、風邪をひいたようで、のどがはれていて声がはれない、という、かなりスピーカーとして健康管理的に×な状態でした。本当は人前で話す時には、聞いてくだされる方に精一杯をおとどけしたいとおもってお話しするのですが、今回は、不十分であったとおもいます。これについては、今後の大きな糧として、健康増進を自らに義務付けようと思いました。
内容は、先日の動画で公開した内容です。また、実際に掲示したシートは、
こちらです。こんな例を記入していました。
夕方は、特に印象に凝ったのは、産能大の澤口先生のご発表でした。TRIZありきでイノベーション教育の導入口は、はかりにくいのが実情。そういうなかで、彼ら産能大の教育プログラムは、ディスカッション中心で、最終的にTRIZ的な概念にたどりつき、学習効果をもらたすような、よい構造のものでした。そういうトレーニングを提供できるのは、TRIZに対する深い知識と、教育工学的なノウハウの蓄積が大きいのではないかと、一人察していました。
全般的に、不況期深くなったこの時期に、シンポジウムに、この規模の人数(目算ですが100名を軽く超えています)が参加したのは、とても意義深いことと思います。景気の先行きは不透明ですが、また、分野まだらに回復したならば、その時に増加する活動になるのだろうと、直感的におもいました。
参加するには、結構な時間と費用がかかるのも事実です。しかし、TRIZの初心者にとっては、2年出てみると、きっと、TRIZを一通り、理解して使える水準になるのではないかとおもいます。多く参加者の方を見ていると、そういうタイムスパンで、TRIZの活用者として最小限サイズまで成長する時間の長さは、2年ぐらいかなぁとおもいます。
それを超えると、事例発表をするような時期に入り、一層の活用をされたり、別の手法とのミックス活用といった思考がでてきて、「自社の発展系のTRIZ」が再構築されていく、そんな傾向があるように見えました。(もちろん、根づくまえに、多くの困難がなかったわけではなくその時期まで来る方は、相当強靭な精神力でのりきっているのだとおもいます)
多くの平均的な参加者にとって、「基本の新規要素の獲得」フェーズが終わりつつあり、次のステージへの探索的な意識が、あちこちで見られていた、と私の印象的には、感じられました。それがいかなる方向に発展・加速していくのか、興味深い所だと思います。
追記:
@IT(アイティメディア社)のイベントカレンダーでも、このイベントを
掲示しておりましたが、それをご覧になってご参加いただいた方がいらしたら、この場を借りて御礼申し上げます。
posted by 宮城TRIZ研究会 at 23:10|
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TRIZシンポジウム2009