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2007年08月30日

第三回TRIZシンポジウム(一日目)

8月30日。創造的な技術開発の理論「TRIZ」のシンポジウムが横浜で開かれています。初日から参加しています。

(私の業務とTRIZの関係について:私の職務の使命である「新技術事業化の支援」には、このTRIZがとても相性がいいと感じています。新事業に結びつくような技術開発をサポートする時に、事業化コーディネータ自身が、一定レベルの創造的活動を担うスタイルをとっています。つなぐサポータ、から、価値を創るサポータへ。将来的にはTRIZをベースにした、独自支援スキームを開発したいと思います。)

さて、初日。午前中はチュートリアルです。私はアドバンスコースを選択。産能大の澤口先生がお話されました。

TRIZ3rd_0830_TRIZ-DE.jpg

TRIZには、「課題解決のTRIZ」と「商品企画のTRIZ」があり、澤口先生のところで重点的に展開されているTRIZ-DEは後者を行なうものです。未来シナリオのお話。10年先を考えてそこから7年前(現在から三年後)に何が起こっていたを割り戻して考えるという面白い構想手法です。

(私見)

企業の意識の分析も論じておられたのですが、製品を生産する力は日本は強い、けれど、商品を企画する、という部分にはまだまだ成長できる余地がある。その具体的な方法無しに「なんか考えよ」である現状からTRIZ-DEなどの手法を活用して効果的に未来を構想していくことは今後重要度をさらに増すと思います。特に、なぜそういう企画になるのか、を説得性の高い説明ができる部分も特徴だと思います。


午後は、日本のTRIZ大家である中川先生をはじめ運営をしていただいている方々からオープニングのお言葉が。

TRIZ3rd_0830_opening.jpg

なんと200人の参加者がおられるそうです。学会と違って、かなり参加者に交流の配慮などをされていて、この場を創りだし運営するのはきっと大変な労力と思います。事務局の皆さんの活動に感謝!

午後は、講演がつづきます。一つだけ紹介しますと、アイデアマラソンの樋口健夫先生が講演された内容が大変印象に残ります。(他の方々のご講演も大変貴重なお話でした。企業の開発の心臓部ですから。ですが、コンフィデンシャルに近いものがあるので、言及は差し控えたいと思います。)

さて、その樋口先生。

TRIZ3rd_0830_IdeaMarathon.jpg

アイデアマラソンは、以前書店で見かけて存じ上げていました。以前樋口先生がトラックバックをしていただいて、是非一度お話を伺ってみたいと思っていました。今回はとても幸運でした。

アイデアマラソンは使うものはA5のノート、それだけ、です。毎日アイデアを出す習慣をつけるとあることが起こるそうです。樋口先生自身、講演で話される様子をみていて「頭の回転が速く、しゃべるスピード以上に次々考えが浮かぶ」様子が感じられました。ジャパネットたかたでの導入事例はなるほど〜、と深く納得してきいていました。樋口先生の時間帯は、会場が大きく沸いたのも、印象に残ります。

懇親会でもすこしお話をさせていただいたのですが、お話しているだけこちらも元気なって、「アイデアマラソン、明日からやってみよう」という気持ちになります。創造性育成のエキスパートのお話に共通して登場するのが「人材がモチベートされる効果」です。どなたも強く意識していっているわけではないと思いますが、組織における創造性育成の手法が身についていくと若手社員のやる気が揚がることが観察されていく傾向があるようです。

懇親会の後は、参加者の方と、創造手法の実践的なハウツーに関してディスカッション。TRIZのユーザーの傾向として、大きな組織の中で一匹オオカミな創造的リーダーな方が多いと思います。日本がもっと面白い社会や製品を創り出していくには、こういうコミュニティの方々が活躍する場や特例的な権限が付与されることが必要だと思います。
posted by 宮城TRIZ研究会 at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | TRIZシンポジウム2007
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