TRIZの初心者むけツールセット、と私が位置づけているものの一つ目、プリンシプル。膨大な特許から共通する発明のエッセンスが抽出され、それを集約して40通りのスタイルに、TRIZの研究者は纏め上げました。「40の発明原理」と呼ばれます。1番の分割原理、から始まり、最後40番は複合材料原理まで、独創的な40の原理で構成されてます。過去の叡智である特許のエッセンスを集約してできたものなので、ほとんどの困難な技術課題はこのどれかの方法が解決の示唆を与えてくれる、というものです。
アイデア出しのときに、この40の発明原理をアイデアのチェックリストとして活用しても面白いと思います。ブレストの考案者であるオズボーン氏がアイデアを得るために「7つのチェックリスト」というアイデア出しの切り口リストを作っています。”大きいものを小さくしたらどうなるか”などの問いかけリストです。プランニング系のアイデア出しにおいて、この7つの問いを行うことで大体これまでのアイデアは出される、というものです。技術系の課題のアイデア会議において、オズボーンのチェックリストではなかなか具体的な展開が難しいのですが、この”40の発明の切り口”を疑問系で問いかけてみると、そこに新しい着想を得られる、そんな気がします。
個別にどんな原理なのかはいづれ紹介したいと思います。TRIZがパワフルなツールだと思うのは、40個の切り口をどういう技術課題の時にはどれを使うと効果が得られやすいか、ということをマトリックスのカタチで示されていることです。もしそういう指南がついていなければ、技術課題に出会った人は、40個の原理を端から試してみないといけません。それがないのです。
対象となる技術課題を39の特性であらわしています。この39の選び方も独特で必ずしも自明ではない構成であり興味深いです。この39をタテ・ヨコになれべてそのマトリックスの中に、4つの数字(1〜40)がその課題に一番適した順に書かれています。縦は改善したい特性、横はそれによって悪化してしまう特性。その交点に、両方を改善するための発明原理がある、という構成です。TRIZのツールの中でも、コレだけでも相当多くのことができそうで、大変興味深いものです。
2006年06月10日
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