TRIZの3つの基本ツールはそもそも互いにどういう位置づけにあるのかを、考察してみたいと思います。TRIZの知識構造自体をアナロジーとして活用する際にこれは大きなヒントになると思います。
3ツールの位置づけですが、きわめてラフな言い方すると、私は次のように解釈しました。プリンシプルズは対象とする系の内部の(トレードオフを解決する)話であり、エフェクツは系の内部がどうであるかとは基本的に無関係に存在する外部の話、そして、プレディクションはの系の仕組みが今後どのような発展を見せるかという指針を与えてくれるもの、だといえるかも知れません。つまり整理すると以下の様になります。
(1)プリンシプルズは、内部資源に関するイノベーションのエッセンス。
(2)エフェクツは、外部資源に関するイノベーションのエッセンス。
(3)プレディクションは、未来や指針に関するイノベーションのエッセンス。
なおこれを経営学にあてはめてアナロジーを考えるならば、
(1)プレディクションは、経営資源の各項目のトレードオフを解消し、両方を向上させるうまいビジネスモデリングの方法を提供するもの。
(2)エフェクツは、企業を取り巻く外部環境(人口構成、ライフスタイルといった社会環境、産業構造、貿易、IT化などの技術革新、法規制、市場動向、業界動向、他の業界の動向)がもたらすものを”機会”の視点で分類したもの
(3)自社のビジネスモデルや業界、市場、社会が今度どのように変わっていくのか、あるいは変化に対応するためにどういう指針を持つべきか、多様な業種、多様な時代、からトレンドのエッセンスを引き出したもの
であると私はとらえました。内部を知り、外部をしり、そして来るべきトレンドを知る。そういうツールになるのかもしれません。
ちなみに蛇足ですが
地域の技術系企業の技術をデータベースにする際にはエフェクツの構造を活用することで、効果的なデータベースができると思われます。
地域の企業の技術シーズを収集するときに、「わが社はコンマ何ミクロンの研磨ができます」と記録されると「高精度の位置決めをしたい」というニーズが来たときに、必ずしもこの技術をうまくシーズ集から引き出せるとは限りません。数が少ないうちは、全部の技術を毎回見ればいいでしょうが、そうも行きません。
そこで、地域各社さんに、”エフェクツの観点で自社の提供できる機能に登録をしてください。”と依頼できたらならば、効果的な「提供機能」別にシーズが構成される有効なデータベースになるでしょう。この辺にも構想を膨らませてみたいと思います。
2006年06月18日
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