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2006年07月10日

USITセミナーを振り返って。

ブースにこもって、事例報告をまとめています。

USITトレーニングセミナーの事例報告を作成しています。せっかくなので知識を構造的に整理し、活用できる知恵に消化するために、がっちりと取り組みます。壁にはグループワークで使った模造紙をはって、二日間のプロセスを振り返ります。事例報告のフォーマットファイルには、全体が理解できるような示唆がついているので、これを書いていくだけで自然と事後の理解がすすみます。なかなかの優れもの。

さて、セミナー全体を振り返ってみて得られた感想と気づきが3つほどあります。以下。

1、人間の創造性は事前にアイデアを生成させている。しかしアイデアは、漠然と考えているときには漠然とした理想形を描き、対象物と問題を明確に考える努力の分だけ理想形は明確な形を描く、ということを今回の構造化されたプロセスを通じて実感した。

2、漠然とした理想形は、ニーズを言い換えただけのアイデアになりがち。(例:うまく性能を発揮する機能をもった道具、といったような表現のアイデア)それに対して明確な理想形、特にUSITを使って生成する理想形は、問題定義・問題分析のプロセルと、USITオペレータを用いることで、具体的な手段や機構、物体構造を伴ったレベルのアイデアになる。

3、問題を明確に定義すること、と、手順を踏んで分析すること、は非常にたくさんのアイデアを触発する行為であった。経営学の分野では、構造化された効果的な問いが、優れた戦略立案に貢献することがあるが、テクノロジーマネジメントの分野でも同様の構造化された知識があると実感した。


これらは、USITが、というよりも、効果的なアイデア出し作業における本質的な性質のいくつかに気がついた、というほうが正しいかもしれません。アイデア出しの組織運営を行ってきた経験から言うと、USITというのは単に膨大な特許のエッセンスの抽出した知識セットをコンパクトにしたものではなく、人間の創造性や、分析眼と発想性能についての深い洞察があるように感じます。USITはTRIZを単にコンパクトにしたものにとどまらず、USITならではの付加価値があるような感じがします。ただそれを深く考察するには私には知識と経験がもっと必要です。もう少しわかってきたらまた報告をしたいと思います。
posted by 宮城TRIZ研究会 at 23:19| Comment(0) | TrackBack(0) | TRIZセミナーレポート2006
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