TRIZの中には、発明原理(技術的ブレークスルーの40パターン)のほかに、技術システムの進化を予測する「トレンド」という貴重な知識があります。
トレンド、というのは何か、というのを説明します。
1.技術はだんだん発展します。
2.技術分野や製品によって、具体な技術の内容は違います。技術が発展していく内容も様々です。しかし、各技術の進化状況を分析すると、中には似たような発展の仕方をしているケースがあります。
3.TRIZ研究者たちの活動により、技術の発展の仕方(技術進化のトレンド)として多くの事例に認められるパターンが、抽出され、31個(※)に整理されています。(※文献によっては20個、などの場合もあります。31個は、ダレルマンの本など。)
どのパターンも、なるほど、と思うような自然な技術進化です。多分、ベテラン技術者の方であれば、そのうちの何割かは、過去の業務経験から暗黙知的に認識されていると思います。
各パターンは3〜6ぐらいの段階で構成されています。
では、その31パターンには、どういう効能があるか。
技術部門のリーダが、自社の製品の技術を31の項目(31パターン)で分析し、その各項目は、どの段階まで進んでいるか、ということを分析します。すると、マックスまでいっている項目もあれば、進化度の低い項目もあります。その低い項目は進化させる余地が多いにあります。(最高までいっている項目は、非連続な技術体系へジャンプすることを待つか、自らジャンプさせます。ジャンプは、破壊的なイノベーションであり大変です。)
あるいは、9画面法などで要素技術の過去10年の発展量を分析したときに、その技術進化のトレンドとして31のどれが顕著であるかを把握します。そしてその発展と同じだけ、次の5年間で進化する、と考えて、要素技術の5年後を予測します。
このように、製品企画の視点で、特に有効だと思います。
しかし、たとえば、ハイテクベンチャーが、自社で開発したの先端的な実験装置を改良しよう、というときに、装置の運転性をどうすると向上できるか、と考えるときに、この31パターンを見てみると、装置のメカニズムを発展させるべき方向が見出せます。
2007年11月04日
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