TRIZの活用に取り組んでいます。今回、TRIZシンポジウムの参加レポートをまとめました。以下掲載します。(敬称略、個別企業名などを省略加工しています。)
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8月31日〜9月2日。パナヒルズ大阪にて、TRIZシンポジウム2006が開催された。国内・外のTRIZ研究者、推進者、活用企業が、一同に会して、成果発表や技術開発・事業開発への広範なディスカッションが行われた。
国内では、長野県の精密板金加工・組立企業殿(…省略…)から、優れた製品開発事例に関する事例発表(溶接レス・パイプ構造体を実現するジョイント構造)があった。新規事業における開発コンセプト創出にTRIZ活用し、技術的な補完は地域の高専・公設試との産学連携にて実施したもの。
地方中小企業における新技術事業化にむけたチャレンジ主体増加のためには、いくつかの要因が必要。その一つには、開発の着想を効果的な開発コンセプトへと発展させることが必要であり、そのフェーズにおいてTRIZの活用は効果的であることが、講演後の個別ディスカッションでわかった。
なお、個別ディスカッションでは、次の3つが、地方中小企業のチャレンジには重要であると整理できた。(一例をもって全てとは言いがたいが、ある種の企業には有効とおもわれる)
●チャレンジする人材
(1)チャレンジメンバーに経営者(もしくは経営者層の一人)が主体的に参加。(2)チャレンジメンバーは、職能職位より、取り組みの気持ちのある人であること
●具体的な開発手法
(新製品の開発経験の乏しい企業では、高付加価値製品を生み出すプロセスの経験がすくない。)(注:必ずしもこの限りではない。筆者追記)
(1)実践的な技術経営の知識・ツールを学ぶ、外部の開発サポーターの力を借りるなどが効果的。(2)社会環境動向などのビジネス視点は、経営者参加による「眼」がブラッシュアップ効果に。
●大学高専や公設試の活用
(1)自社の基盤技術により品質・コスト対応力はあるが、構想した開発コンセプトの具現に必要なブレークスルーポイントを見極め、そうしたピンポイントの力を持つ機関・先生との連携を。(2)普段からの外部機関との連携、もしくは地元の開発支援コンサルやコーディネータの活用を。
(※上記の整理は荒削りの分析であり、仮説検証などの作業が必要。)
2006年09月03日
2006年09月02日
USITのシカフス氏。中川教授。大御所の続く最終日。
9月2日。TRIZシンポジウムの三日目(最終日)。この三日間のシンポジウムに総数で100名以上(うろ覚えですが、150名とも。)の参加が国内外からありました。世界的にもてもTRIZの会議としては最大級なものだそうです。
最終日は、USITの開発者であるシカフス氏、日本のTRIZ普及推進の大家である中川教授の発表他がありました。
USITとは:
創造的問題解決法、あるいは、やさしくしたTRIZ、とも表現されます。企業の課題解決のために、問題の定義から解決策の生成まで、一連のプロセスと手法がセットになった優れた手法です。シカフス氏が開発をされました。国内では中川先生のご活躍で多くの人にわかりやすく手法が提供されています。中川先生の公式サイトでの、USITに関するすばらしい解説があります。

(エド シカフス氏の講演。右下の人物がシカフス氏)
■Ed Sickafus氏からは、問題解決方法論各種の根底にあるもの−メンタル的な資源を使用する方法の理解−に関する講演がありました。創造的技法の開発者のシカフス氏ならでは興味深い洞察がたくさん。「組織化されず論理的でもないが、しばしば見落とされがちな資源が自然な思考にはある。」「(右脳と左脳は)両方とも、論理付け、記憶、コミュニケーションおよび問題解決を行ないます。しかし、2つの脳はそれらを違ったやり方で行い、結果を共有します。例:一方はロジックがより得意で、もう一方はメタファー(隠喩)理解がより得意です。」(※和訳テキストに、一部加筆)「RHは空間の情報を分析するが、その結果を言葉で表すことができません」「一般的に、我々は瞬間的で、直感的な解決概念で始めます(写真のスライドの内容)」「組織化は思考のためではなく、コミュニケーションのための実践である」「私たちの創造的思考(コミュニケーションでない)を最大にするために、RHの隠喩的な思考を促している間に、LHの論理的推測を抑制する必要があります。」「構造と言語は論理的なコミュニケーションのツールです。イメージとメタファー(隠喩)は創造的思考のツールです。」「RHの隠喩的な思考を取るために簡単なスケッチを使用してください。画像的な表現に説明を合わせてください。洞察の直観的なジャンプを促進するために、アイデアの判定を一時停止してください」
(私見)TRIZが、USITが、ということを超えて、論理的に潜在意識の階段を下りて、創造的なフィールドで脳を動かすということが、すこし理解できたような気がします。USITという創造的な手法がその背景に持っているものが、「感じられた」ような気がします。
■中川先生から「USITの「6箱方式」の使い方と意義」についての講演がありました。そこで、類比思考のプロセスのあいまいさをなくすUSITの6箱方式について、事例を踏まえてコンパクトにお話をしていただきました。(詳細は、(備考)部分に記述しました。)
(私見)USITは、技術開発にも強力で使いやすいツールですが、技術以外の一般の課題に対してもきわめて適用のしやすい発想プロセスだとおもいます。その意味もあって、先生の例示では、「裁縫で短くなった縫い糸をとめる方法」「忘れ物を防止する方法」といった、身近で面白い課題をテーマに取り上げておられるのだとおもいます。優れた手法のセットですが、中でも「属性分析」と「USITオペレータ」は特に優れた「智慧」だとおもいます。決して今まで誰もしたことのない特殊な思考方法ではありませんが、意識的にその思考様式をとることの重要さ、そして、ツールとしての利用可能形態にしたこと、とてもすばらしいとおもいます。
■ポスターセッションもありました。その中でもっとも興味深いと個人的に感じたのは、台湾のChen氏の発表「矛盾マトリクスの空のセルに関連する問題を解決するための「単一特性法」」です。矛盾マトリクスには対応する原理の入っていないセルがありますが、そのときに、改善特性の同じ行に並ぶ発明原理を活用する、という切り口です。その行に出てくる原理を出現頻度によって分類しながらリストアップします。(A=19回以上、…、G=1〜3回)そうして、それらの高頻度のものを候補として適用しよう、というものです。この考えのよいところは、空白のセルをどうしよう、というだけではなく「The TRIZ Method Without Contradiction Information(矛盾情報を使わないTRIZの方法)」である点です。改善したい特性にたして、何が悪化する特性なのかを特定せずに、候補となる発明原理を判断できます。悪化する特性を、掘り下げ分析していくことが解決への基本だとしても、悪化する特性がどうにもわからない(絞りきれない)ときもありますが、そういったときに、活用しやすい知識となりそうです。なお、Chen氏に、どうやってこの方法に思い至ったのですか?とたずねると彼はこう答えました。「空白のセルをどうしよう、という問題を解決するのに、TRIZを使ったのだ」と。確かに、情報の損失。そしてアバウト原理などの原理が対応しそうです。TRIZはその自身の手法発展においてもその手法内容が適用される可能性のある、とても面白い理論体系であるおもいます。
■TRIZの有力なコンサル企業、アイデア社からのご発表もありました。TRIZという理論をユーザにとって、もっともわかりやすくお話していただきました。電気シェーバーの改良をする際に、TRIZを使うとどういう思考を展開していくべきか、ということをモデルに。開発者にとってのTRIZのツールとしての使い方が、すっとわかりました。こうした優れたコンサル企業があることは今日の日本のTRIZの展開に大きく影響しているとおもいます。
■(備考)6箱方式のフロー概要、他
■■■■■■■■■■■
1)ユーザの具体的問題
□□□□□□□□□□□
▼
問題の定義
▼
□□□□□□□□□□□
2)適切に定義された具体的問題
■■■■■■■■■■■
▼
問題の分析・・・技術と問題をよくしっていないといけない。
▼
■■■■■■■■■■■
3)現在システムの理解+理想のシステムの理解
■■■■■■■■■■■
▼
アイデアの生成(オペレータ)
▼
■■■■■■■■■■■
4)新システムのためのアイデア
■■■■■■■■■■■
▼
解決策の構築・・・ここは技術のバックグラウンドがものすごくいる。
▼
■■■■■■■■■■■
5)解決策のコンセプト
□□□□□□□□□□□
▼
実現
▼
□□□□□□□□□□□
6)ユーザの具体的解決策
■■■■■■■■■■■
※この「□□□・・・」を抜いた区切り方が4箱。
現実の世界・・・技術・ビジネス・社会主導
1(2)(5)6
思考の世界・・・技法主導
(2)34(5)
■6箱方式に対する従来の4箱方式
従来の4箱方式(ユーザの具体的問題⇒モデルの一般化した問題⇒モデルの一般化した解決策⇒ユーザの具体的な解決策)では、適用するモデルはたくさん。主要な解決策生成法が、別々の問題分析ツールをもつ。どれかをつかう、と、問題の一側面を分析することに。モデルはどう選択するのか?どう抽象化するのか?というあいまいさ。TRIZの全体のプロセスが非常に複雑に。
(以上は、筆者の理解による記述であり、不適切な表現、誤った理解を含むことがあります。)続きを読む
最終日は、USITの開発者であるシカフス氏、日本のTRIZ普及推進の大家である中川教授の発表他がありました。
USITとは:
創造的問題解決法、あるいは、やさしくしたTRIZ、とも表現されます。企業の課題解決のために、問題の定義から解決策の生成まで、一連のプロセスと手法がセットになった優れた手法です。シカフス氏が開発をされました。国内では中川先生のご活躍で多くの人にわかりやすく手法が提供されています。中川先生の公式サイトでの、USITに関するすばらしい解説があります。
(エド シカフス氏の講演。右下の人物がシカフス氏)
■Ed Sickafus氏からは、問題解決方法論各種の根底にあるもの−メンタル的な資源を使用する方法の理解−に関する講演がありました。創造的技法の開発者のシカフス氏ならでは興味深い洞察がたくさん。「組織化されず論理的でもないが、しばしば見落とされがちな資源が自然な思考にはある。」「(右脳と左脳は)両方とも、論理付け、記憶、コミュニケーションおよび問題解決を行ないます。しかし、2つの脳はそれらを違ったやり方で行い、結果を共有します。例:一方はロジックがより得意で、もう一方はメタファー(隠喩)理解がより得意です。」(※和訳テキストに、一部加筆)「RHは空間の情報を分析するが、その結果を言葉で表すことができません」「一般的に、我々は瞬間的で、直感的な解決概念で始めます(写真のスライドの内容)」「組織化は思考のためではなく、コミュニケーションのための実践である」「私たちの創造的思考(コミュニケーションでない)を最大にするために、RHの隠喩的な思考を促している間に、LHの論理的推測を抑制する必要があります。」「構造と言語は論理的なコミュニケーションのツールです。イメージとメタファー(隠喩)は創造的思考のツールです。」「RHの隠喩的な思考を取るために簡単なスケッチを使用してください。画像的な表現に説明を合わせてください。洞察の直観的なジャンプを促進するために、アイデアの判定を一時停止してください」
(私見)TRIZが、USITが、ということを超えて、論理的に潜在意識の階段を下りて、創造的なフィールドで脳を動かすということが、すこし理解できたような気がします。USITという創造的な手法がその背景に持っているものが、「感じられた」ような気がします。
■中川先生から「USITの「6箱方式」の使い方と意義」についての講演がありました。そこで、類比思考のプロセスのあいまいさをなくすUSITの6箱方式について、事例を踏まえてコンパクトにお話をしていただきました。(詳細は、(備考)部分に記述しました。)
(私見)USITは、技術開発にも強力で使いやすいツールですが、技術以外の一般の課題に対してもきわめて適用のしやすい発想プロセスだとおもいます。その意味もあって、先生の例示では、「裁縫で短くなった縫い糸をとめる方法」「忘れ物を防止する方法」といった、身近で面白い課題をテーマに取り上げておられるのだとおもいます。優れた手法のセットですが、中でも「属性分析」と「USITオペレータ」は特に優れた「智慧」だとおもいます。決して今まで誰もしたことのない特殊な思考方法ではありませんが、意識的にその思考様式をとることの重要さ、そして、ツールとしての利用可能形態にしたこと、とてもすばらしいとおもいます。
■ポスターセッションもありました。その中でもっとも興味深いと個人的に感じたのは、台湾のChen氏の発表「矛盾マトリクスの空のセルに関連する問題を解決するための「単一特性法」」です。矛盾マトリクスには対応する原理の入っていないセルがありますが、そのときに、改善特性の同じ行に並ぶ発明原理を活用する、という切り口です。その行に出てくる原理を出現頻度によって分類しながらリストアップします。(A=19回以上、…、G=1〜3回)そうして、それらの高頻度のものを候補として適用しよう、というものです。この考えのよいところは、空白のセルをどうしよう、というだけではなく「The TRIZ Method Without Contradiction Information(矛盾情報を使わないTRIZの方法)」である点です。改善したい特性にたして、何が悪化する特性なのかを特定せずに、候補となる発明原理を判断できます。悪化する特性を、掘り下げ分析していくことが解決への基本だとしても、悪化する特性がどうにもわからない(絞りきれない)ときもありますが、そういったときに、活用しやすい知識となりそうです。なお、Chen氏に、どうやってこの方法に思い至ったのですか?とたずねると彼はこう答えました。「空白のセルをどうしよう、という問題を解決するのに、TRIZを使ったのだ」と。確かに、情報の損失。そしてアバウト原理などの原理が対応しそうです。TRIZはその自身の手法発展においてもその手法内容が適用される可能性のある、とても面白い理論体系であるおもいます。
■TRIZの有力なコンサル企業、アイデア社からのご発表もありました。TRIZという理論をユーザにとって、もっともわかりやすくお話していただきました。電気シェーバーの改良をする際に、TRIZを使うとどういう思考を展開していくべきか、ということをモデルに。開発者にとってのTRIZのツールとしての使い方が、すっとわかりました。こうした優れたコンサル企業があることは今日の日本のTRIZの展開に大きく影響しているとおもいます。
■(備考)6箱方式のフロー概要、他
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1)ユーザの具体的問題
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問題の定義
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2)適切に定義された具体的問題
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問題の分析・・・技術と問題をよくしっていないといけない。
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3)現在システムの理解+理想のシステムの理解
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アイデアの生成(オペレータ)
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4)新システムのためのアイデア
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解決策の構築・・・ここは技術のバックグラウンドがものすごくいる。
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5)解決策のコンセプト
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6)ユーザの具体的解決策
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※この「□□□・・・」を抜いた区切り方が4箱。
現実の世界・・・技術・ビジネス・社会主導
1(2)(5)6
思考の世界・・・技法主導
(2)34(5)
■6箱方式に対する従来の4箱方式
従来の4箱方式(ユーザの具体的問題⇒モデルの一般化した問題⇒モデルの一般化した解決策⇒ユーザの具体的な解決策)では、適用するモデルはたくさん。主要な解決策生成法が、別々の問題分析ツールをもつ。どれかをつかう、と、問題の一側面を分析することに。モデルはどう選択するのか?どう抽象化するのか?というあいまいさ。TRIZの全体のプロセスが非常に複雑に。
(以上は、筆者の理解による記述であり、不適切な表現、誤った理解を含むことがあります。)続きを読む
2006年09月01日
Darrell Mann、ソフトウエアのTRIZ。
9月1日。TRIZシンポジウムの二日目。朝から晩まで、講演が続きます。
TRIZの矛盾マトリックスはアルトシュラーがつくり今日の書籍ではほとんどがそのマトリックスですが、よくみるとあちこちに、空白のセルあります。そこには対応する発明原理が示されていません。これに対して、今日的な特許まで分析し完全にセルが埋められた新しい矛盾マトリックス(マトリックス2003)があります。Darrell Mann(ダレルマン)氏のした仕事です。そのMann氏が、今回は、ソフトウエア分野でのTRIZについての分析を発表されました。この中で特に印象深かったのは、40の発明原理が、ソフトウエアでどう現されるべきかを示したリストです。
TRIZはその起源からしてメカニカルなのものへの解決力が強いと感じます。一方で、ソフトウエアやナノテクなどの非機械的な要素への適用は、発明原理の表現するものに違和感があるようにおもいます。Mann氏の講演ではソフトウエア分野に対応した、あたらしい表現になっています。(シンポジウム資料に詳細があります。その紹介は別の機会に譲りたいとおもいます。)

(夜の懇親会にて。右がダレルマン氏。左は片岡氏)
二日目には、TRIZ/USITの新刊でしられる粕谷茂氏(プロエンジニア研究研究所)、9月21日に宮城県のTRIZセミナー講師においでいただく片岡敏光氏(パットブレーン)のご発表もありました。
TRIZの矛盾マトリックスはアルトシュラーがつくり今日の書籍ではほとんどがそのマトリックスですが、よくみるとあちこちに、空白のセルあります。そこには対応する発明原理が示されていません。これに対して、今日的な特許まで分析し完全にセルが埋められた新しい矛盾マトリックス(マトリックス2003)があります。Darrell Mann(ダレルマン)氏のした仕事です。そのMann氏が、今回は、ソフトウエア分野でのTRIZについての分析を発表されました。この中で特に印象深かったのは、40の発明原理が、ソフトウエアでどう現されるべきかを示したリストです。
TRIZはその起源からしてメカニカルなのものへの解決力が強いと感じます。一方で、ソフトウエアやナノテクなどの非機械的な要素への適用は、発明原理の表現するものに違和感があるようにおもいます。Mann氏の講演ではソフトウエア分野に対応した、あたらしい表現になっています。(シンポジウム資料に詳細があります。その紹介は別の機会に譲りたいとおもいます。)
(夜の懇親会にて。右がダレルマン氏。左は片岡氏)
二日目には、TRIZ/USITの新刊でしられる粕谷茂氏(プロエンジニア研究研究所)、9月21日に宮城県のTRIZセミナー講師においでいただく片岡敏光氏(パットブレーン)のご発表もありました。
2006年08月31日
TRIZシンポジウム2006。長野におけるTRIZ実践事例。
8月31日。TRIZシンポジウム2006が大阪で開催されています。全国のTRIZ関係者と欧米アジアからTRIZの専門家が来日し、合計で100名以上が三日間にわたりTRIZに関する情報交換やディスカッションを行います。大阪の中川先生をはじめ、事務局をされている方は国内の強力なTRIZ推進者で構成されています。先生自ら身を粉にしてシンポジウムを運営されておられます。頭の下がる思いで参加させてもらいました。

(開会の様子。最前列には、USITの大家、シカフス氏がアメリカから。)
初日に当たる31日はとても興味深い発表がありました。特に印象深かった3つの発表についてご紹介します。
■TRIZの優れた実践事例
株式会社タカノの横内社長殿のご発表で、「溶接レス・パイプ構造体を実現するジョイント構造」が今回最も興味深いと個人的に感じました。長野の製造企業であるタカノ殿では、チャレンジテーマを社内でアイデア出しして、地域の開発系コンサル企業であるプラーナー殿などの協力をえて、TRIZを用いて開発を成功させます。単に構造体の開発をするのではなく、作業環境改善、工期の超短縮など、非常に優秀な結果を上げています。これからの社会のありようにもとてもマッチした可能性の高い技術が生まれています。
■TRIZの基本についての講演
産能大の澤口学先生(『VEとTRIZ』著者)が、TRIZの基本ツールについて明快に講義されました。初学者にとってとても勉強になりました。特に「抽象化による解決の原則」(抽象化→導出→具体化:類比発想)のプロセスを、二次方程式の一般解をモデルにとてもわかりやすく言及させれました。これは、なるほど、とおもいました。TRIZの思考プロセスのエッセンスがそこにあります。
■ブレークスルー思考の日比野氏による講演
『ブレークスルー思考』のジェラード・ナドラー、日比野省三といえば非常に有名ですが、その日比野氏本人による講演です。過去と現在の延長線上に未来がない、そういう時代には、未来から。目的の目的はなにか?目的の目的の目的は何か?・・・、非常に興味深いブレークスルー思考のお話でした。
・デカルトの思考(これまでの思考):事実、真実、実態、先例、事例
・ブレークスルー思考:根本、根源、本質・・・目的
(開会の様子。最前列には、USITの大家、シカフス氏がアメリカから。)
初日に当たる31日はとても興味深い発表がありました。特に印象深かった3つの発表についてご紹介します。
■TRIZの優れた実践事例
株式会社タカノの横内社長殿のご発表で、「溶接レス・パイプ構造体を実現するジョイント構造」が今回最も興味深いと個人的に感じました。長野の製造企業であるタカノ殿では、チャレンジテーマを社内でアイデア出しして、地域の開発系コンサル企業であるプラーナー殿などの協力をえて、TRIZを用いて開発を成功させます。単に構造体の開発をするのではなく、作業環境改善、工期の超短縮など、非常に優秀な結果を上げています。これからの社会のありようにもとてもマッチした可能性の高い技術が生まれています。
■TRIZの基本についての講演
産能大の澤口学先生(『VEとTRIZ』著者)が、TRIZの基本ツールについて明快に講義されました。初学者にとってとても勉強になりました。特に「抽象化による解決の原則」(抽象化→導出→具体化:類比発想)のプロセスを、二次方程式の一般解をモデルにとてもわかりやすく言及させれました。これは、なるほど、とおもいました。TRIZの思考プロセスのエッセンスがそこにあります。
■ブレークスルー思考の日比野氏による講演
『ブレークスルー思考』のジェラード・ナドラー、日比野省三といえば非常に有名ですが、その日比野氏本人による講演です。過去と現在の延長線上に未来がない、そういう時代には、未来から。目的の目的はなにか?目的の目的の目的は何か?・・・、非常に興味深いブレークスルー思考のお話でした。
・デカルトの思考(これまでの思考):事実、真実、実態、先例、事例
・ブレークスルー思考:根本、根源、本質・・・目的